圧力タンクはもう古い?古い工場・病院で給水ポンプに替えるべき理由

コスト削減

「圧力タンクの設置スペースがもったいない」「圧力スイッチがまた壊れた」——古い工場や病院の設備を管理していると、こんな悩みに行き当たることが多いのではないでしょうか。実は、受水槽がある施設なら圧力タンクをまるごと給水ポンプに置き換えられるケースが少なくありません。この記事では、現場の視点から圧力タンクの弱点と、給水ポンプに切り替えるメリットを整理します。


古い施設に圧力タンクが多い理由と、よくある不満

圧力タンクとは、ポンプで汲み上げた水を一定の圧力で貯めておき、蛇口を開けたときにその圧力で水を押し出す装置のことです。タンク内に空気の層をつくり、その空気のバネ作用で給水圧を保ちます。

ひと昔前の工場や病院では、この圧力タンク方式がごく一般的でした。構造がシンプルで導入費用も安く、当時の技術ではもっとも現実的な選択肢だったからです。

ただ、長年使ってきた施設の管理者からは、こんな声をよく聞きます。

  • 「タンクが大きくて、ポンプ室のスペースをかなり食っている」
  • 「圧力スイッチや圧力計がしょっちゅう壊れる」
  • 「水道の圧力が安定しない(蛇口を開けるたびに強弱がある)」

これらは圧力タンク方式の構造そのものに起因する不満で、こまめに部品交換をしても根本的には解消しきれません。

古い施設に設置された圧力タンク(手前)と受水槽
経年した圧力タンクの例。右の受水槽がある施設なら、給水ポンプへの置き換えも可能

圧力タンクのデメリットを整理する

広い設置スペースが必要

圧力タンクは、水と空気の両方をタンク内に溜めておく必要があるため、どうしても容量が大きくなりがちです。その分、ポンプ室に占めるスペースも大きくなります。

古い施設では「ポンプ室が手狭で、新しい設備を入れたくても置く場所がない」という相談をよく受けますが、その原因の多くが大型の圧力タンクです。

圧力スイッチなど壊れやすい部品が多い

圧力タンク方式は、設定した圧力の上限・下限でポンプをON/OFFさせる「圧力スイッチ」で制御しています。このスイッチは可動接点を持つ消耗部品で、起動・停止を繰り返すうちに摩耗・故障します。

さらに、タンク内の空気が水に溶け込んで減っていく(=空気が抜ける)と、ポンプの起動・停止が異常に頻繁になり、スイッチやポンプ本体の寿命を縮めます。圧力計やダイヤフラム(空気と水を仕切る膜)も劣化部品で、点検・交換の手間が地味に積み重なります。

受水槽があれば、そもそも不要なケースも

意外と知られていないのですが、施設にすでに受水槽(貯水タンク)があるなら、圧力タンクを残しておく必要がないケースが多々あります。受水槽から直接、給水ポンプで建物内に送水すればよいからです。

「昔から付いているから」という理由だけで圧力タンクを置き続け、貴重なスペースを無駄にしている施設は、実際かなりあります。


給水ポンプに替えるメリット

ここでいう給水ポンプとは、推定末端圧力一定制御やインバータ制御によって、必要な分だけ自動で送水量・圧力を調整するタイプのポンプを指します。

インバータ制御の給水ポンプユニット
省スペースで安定給水できる給水ポンプ(インバータ制御)の例

省スペースで大容量に対応できる

最大のメリットは省スペース性です。大きなタンクが不要になるため、ポンプユニットだけで済み、ポンプ室をぐっと広く使えるようになります。

しかも、タンク容量に給水能力が縛られないので、大容量の需要にも対応しやすくなります。工場の生産ラインや病院の同時使用が多い施設ほど、この恩恵は大きくなります。

※ 具体的な給水能力や推奨機種は、施設の規模や用途によって変わります。導入時に現場を確認のうえご提案します。

メンテナンス部品が減り、給水が安定する

圧力スイッチやダイヤフラムといった「壊れやすい部品」が構造的に減るため、故障対応の頻度が下がります。

また、インバータ制御のポンプは蛇口の開け閉めに合わせて回転数を細かく調整するので、給水圧が一定に保たれます。「蛇口によって水の勢いがバラバラ」という圧力タンク特有のストレスも解消されます。

※ 交換費用の相場は、施設規模や既設配管の状況によって大きく変わります。現地確認のうえお見積りします。


圧力タンクのメリットと、切り替えの判断目安

ここまで給水ポンプを推してきましたが、圧力タンクにも明確なメリットがあります。それは導入コストの安さです。構造がシンプルなぶん、設備そのものの価格は給水ポンプ方式より抑えられます。

正直に言えば、すでに問題なく動いていて、スペースにも余裕があり、当面の更新予定もない——という施設なら、無理に替える必要はありません。

一方で、次のような施設は給水ポンプへの切り替えを検討する価値が高いといえます。

  • ポンプ室のスペースを有効活用したい
  • 圧力スイッチなどの故障・部品交換に頻繁に悩まされている
  • すでに受水槽があり、圧力タンクが実質的に「場所を取るだけ」になっている
  • 給水圧の不安定さを改善したい

まとめ

  • 圧力タンクは構造がシンプルで導入費が安い反面、設置スペースが大きく、圧力スイッチなど壊れやすい部品が多い
  • 受水槽がある施設なら、圧力タンクは不要で、給水ポンプに置き換えられるケースが多い
  • 給水ポンプ(インバータ制御等)は省スペース・大容量・安定給水・メンテ部品減と利点が多い
  • 唯一の比較劣位は導入コストで、ここは圧力タンクに分がある
  • 故障が多い・スペースを有効活用したい施設は切り替え検討の価値あり

設備更新は「今のまま使い続けるコスト」と「替えたあとのメリット」を天秤にかける判断です。自分の施設はどちらが得か迷ったら、現場を見たうえでお気軽にご相談ください。


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