井戸の水量が落ちた原因、プロが教えるチェックポイント

個人向け

井戸の水量が突然落ちた、あるいは以前より明らかに弱くなってきた——そんな経験はありませんか?
原因はひとつではなく、ポンプ側の問題なのか、井戸(地下水)側の問題なのかで対処法がまったく変わってきます。
この記事では、現場でよく遭遇するケースをもとに、水量低下の原因とチェックポイントをわかりやすく整理しました。

①ポンプの異常による水量低下

水量が落ちたとき、最初に疑うべきはポンプです。

電流値の変化を見逃さない

ポンプを動かしているモーターには、運転中に流れる電流値(アンペア)というものがあります。電流値はモーターの負荷(どれだけ力を使って回っているか)に比例するため、水量に異常が出ると電流値にも変化が現れます。

  • 電流値が下がってきた場合:汲み上げる水の量が減り、モーターへの負荷が軽くなっているサイン。水量低下の初期段階に現れやすいです。
  • 電流値が上がりすぎている場合:ポンプに過度な負担がかかっているサイン。そのまま放置すると過負荷でポンプが落ちる(自動停止する)ことがあります。

電流値の変化は小さいうちから敏感に確認しておくことが大切です。日常的に記録をつけておくと、異常の早期発見につながります。

過負荷でポンプが頻繁に落ちる場合は要注意

ポンプが何度も自動停止を繰り返すようであれば、ポンプ本体に異常が起きている可能性が高いです。この状態で使い続けると、最悪の場合ポンプが完全に動かなくなります。早めに交換の段取りをすることをおすすめします。

②水質による流量低下

ポンプに問題がない場合、次に疑うのが水質による詰まりです。

鉄・マンガンによる目詰まり

鉄分やマンガンが多い井戸水では、これらが酸化して固まり、ストレーナーやポンプの吸い込み口に付着・堆積することがあります。

ここで少し仕組みをご説明します。

井戸の中には、地面から地下深くまで「ケーシング」と呼ばれる大きなパイプが入っています。ポンプはそのパイプの中に吊り下げられており、地下水はパイプの側面にある「ストレーナー」と呼ばれる細かい穴から入ってきます。

このストレーナーが鉄やマンガンの付着で塞がれてしまうと、ポンプが動いていても水自体がパイプ内に入ってこなくなり、水量が大幅に落ちます。また、吸い込み口やインペラ(羽根車)に付着が進むと、回転効率が下がり水を押し出す力も弱くなります。

砂の堆積

ケーシングの底部に砂が溜まってくると、ポンプの実質的な設置深度が浅くなり、地下水を十分に汲み上げられなくなることがあります。知らず知らずのうちに進行するケースも多いので注意が必要です。

原因別の対策

ポンプの異常(①の場合)

ポンプ本体の劣化や故障が原因の場合、基本的にはポンプの交換が必要です。

特に水中ポンプ(ケーシング内に吊り下げられているタイプ)の場合、引き上げるためにクレーンやユニック車が必要になります。段取りに時間がかかるため、「完全に止まってから手配する」では復旧まで数日〜数週間かかることも珍しくありません。

電流値の変化や頻繁な自動停止など、異常のサインが出た段階で早めに対処することが重要です。

水質・堆積物による詰まり(②の場合)

この場合は浚渫(しゅんせつ)という作業が有効です。

浚渫とは、ケーシングの内部を洗浄し、堆積した砂や鉄・マンガンの付着物を除去する作業のことです。費用はかかりますが、ストレーナーに詰まっている異物を取り除ける可能性があり、水量が回復するケースも多くあります。

また、オプションでケーシング内にカメラを入れて状態を映像で確認することもできます。目で見て原因を把握できるので、対処法の判断がしやすくなります。

まとめ

  • 水量低下の原因は大きく「ポンプ側」と「井戸・水質側」の2つに分けて考える
  • 電流値の変化はポンプ異常の早期サイン。日常的に記録しておくと役立つ
  • 鉄・マンガンの付着や砂の堆積は、気づかないうちに進行する
  • ポンプ交換は段取りに時間がかかるため、異常を感じたら早めに動く
  • 浚渫+カメラ調査で、井戸内の状態を把握してから対処法を決めるのがベスト

原因の特定には、前後の運転データ(電流値・水量の記録)があると非常に絞り込みやすくなります。「なんとなく弱くなった気がする」と感じたら、まずは運転記録を見直してみてください。お困りの際はお気軽にご相談ください。


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