下水道料金、年間で数百万払っていませんか?削減できる3つの着眼点

コスト削減

工場や病院、各種施設で、毎月の下水道料金が当たり前のように引き落とされていく。でもその金額、本当に妥当なのか疑ったことはあるでしょうか。実は下水道料金は「使った上水の量=下水に流した量」とみなして自動的に課金される仕組みです。つまり、実際には下水に流していない水まで料金を取られているケースが、現場では珍しくありません。年間数百万円という規模で払っている事業所ほど、見直しの効果は大きくなります。


そもそも下水道料金はどう計算されている?「みなし課金」の落とし穴

まず大前提として知っておいてほしいのが、下水道料金の計算方法です。

ほとんどの自治体では、下水道に実際に流した汚水量を測っているわけではありません。上水道(や工業用水)の使用水量を、そのまま汚水排出量とみなして請求しているのです。実際に下水管へ流れた量を一つひとつ測定するのは技術的に困難でコストもかかるため、「使った水はそのまま下水に流れた」と割り切って計算しているわけです。

この仕組み自体は合理的なのですが、ここに大きな落とし穴があります。

冷却塔から蒸発していく水、緑地や駐車場への散水、製品そのものに混ざり込む水——こうした「下水道に流れていない水」も、上水メーターを通った時点ですべて汚水として課金されているのです。一般家庭ならわずかな誤差ですが、水を大量に使う工場・施設では、この「流していないのに払っている分」が膨大な金額になります。

月に40万円以上の下水道料金を払っている事業所なら、この構造的な過大課金の影響は決して小さくありません。まずは「自分たちは流していない水にもお金を払っているかもしれない」という視点を持つことが、削減への第一歩です。


着眼点1:下水に流していない水を「減量認定」で控除する

1つ目の着眼点が、汚水排出量の減量認定という制度の活用です。

これは、「上水として使ったけれど下水には流していない水」を申告することで、その分を汚水排出量から差し引いてもらう正規の仕組みです。多くの自治体が下水道条例に基づいて運用しています。

対象になりやすいのは、たとえば次のようなケースです。

  • 冷却塔(クーリングタワー)の蒸発分:循環冷却で大量の水が蒸発し、下水には流れない
  • 緑地・グラウンドへの散水:地面に染み込み、下水管へは行かない
  • 製品への混入水:飲料・食品・生コンなど、水が製品の一部になる

これらを控除してもらうには、下水に流れない水の量を測るための私設メーター(差引メーター)を設置し、汚水排出量認定申告書を提出します。自治体によっては「減量する水量が全使用量の20%以上であること」といった要件が設けられている場合もあります(大阪市など)。

注意点は2つ。申請前の事前協議が必須であること、そして申請日より前にさかのぼっての減量は原則できないことです。つまり、気づいて動くのが早いほど、取り戻せる金額も大きくなります。「うちは冷却塔を回しているな」「散水量が多いな」と思い当たるなら、すぐに検討する価値があります。


着眼点2:井戸水・地下水への切り替えと正しい認定申告

2つ目は、水源そのものを見直す——井戸水・地下水の活用です。

上水道で使っている水の一部を井戸水に置き換えれば、その分の上水料金はまるごと消えます。これは下水道料金だけでなく、水コスト全体に効く根本的な対策です。自前の水源を持つことは、長期的な固定費の削減につながります。

ただし、ここで誤解されがちなのが下水道料金の扱いです。井戸水であっても、それを下水道に流す以上は下水道料金がかかります。「井戸水にすれば下水道料金もタダになる」わけではありません。井戸水を使う場合は私設量水器(井戸水用メーター)を設置し、使用水量に応じて下水道料金を支払うのが正しいやり方です。

そして重要なのが、無届けでの井戸水使用はNGだということ。届出を怠ったり、不正に料金を免れたりした場合、過料(自治体によっては免れた金額の5倍など)の対象になります。きちんと届出をして正規に認定を受けることが、結果的にいちばん安全で、トラブルもありません。

それでも、上水を井戸水に置き換えることで得られる総コストの削減幅は大きく、水を大量に使う施設ほどメリットが効いてきます。「下水道料金だけ」ではなく「水まわりのコスト全体」で考えると、井戸水という選択肢が見えてきます。


着眼点3:メーター区分・用途の棚卸しで「払い過ぎ」を発見する

3つ目は、地味ですが効果の大きいメーター区分と用途の棚卸しです。

多くの事業所では、一つの上水メーターを通った水が「すべて下水に流れた」前提で課金されています。でも実際の施設内では、飲用・洗浄・トイレといった「確実に下水へ行く水」と、散水・冷却・補給といった「下水へ行かない水」が混在しているはずです。これが一括で汚水とみなされていないか、まず確認すべきです。

ここで力を発揮するのが給排水系統図です。施設内のどこでどう水が使われ、どこから下水へ流れ、どこは流れないのか——これを図にして可視化することで、「控除できる水」がはっきり見えてきます。

実は、減量認定の申請には、この給排水系統図の提出がほぼ必須です。公設メーター・私設メーターの位置、対象設備への給排水経路を明示した図面がないと、自治体は審査のしようがありません。逆に言えば、系統図をきちんと作れるかどうかが、削減を実現できるかの分かれ目になります。

配管の系統を読み解き、どこを計量すれば控除が取れるかを設計する——ここはまさに、水まわりの実務に精通した専門家の出番です。図面一枚で年間の支払いが変わることも、現場では十分にあり得ます。


まとめ|下水道料金は「見直せる固定費」です

最後に要点を整理します。

  • 下水道料金は実測ではなく、上水使用量を汚水量とみなして課金されている。流していない水まで払っている可能性が高い
  • 削減の着眼点は3つ:①減量認定で控除する ②井戸水へ切り替える ③メーター区分・系統を棚卸しする
  • いずれも自治体の正規の申請制度。無届け・不正は過料のリスクがあるため、必ず正しい手順で
  • 減量認定は事前協議が必須・遡及不可。気づいたら早く動くほど得をする
  • 月40万円以上を払っている事業所ほど、削減できるインパクトは大きい

「うちの下水道料金、ちょっと高すぎるかもしれない」——そう感じたら、その直感はおそらく正しいです。こちらでは、給排水系統の診断から減量認定の申請サポート、井戸水導入まで、下水道・水コストの削減を一気通貫でお手伝いしています。とくに月の水関連費が大きい施設ほど、削減の余地は大きく眠っています。まずは現状の請求書を片手に、一度ご相談ください。


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