水中ポンプのトラブルと対処法|症状・原因・日常管理のポイント

ポンプ・設備

よくある水中ポンプのトラブル症状

水中ポンプは井戸の中に沈めて使うため、地上からは状態が見えません。だからこそトラブルの早期発見が難しく、気づいたときには深刻な状態になっていることがあります。よくある症状を把握しておくことが重要です。

揚水量が減ってきた

「以前より水の出が悪くなった」という場合、いくつかの原因が考えられます。ポンプ自体の性能低下・配管の詰まり・井戸の水位低下などが主な原因です。徐々に減っている場合は水質によるトラブルや経年劣化が疑われます。

圧力が上がってきた

圧力計の数値が以前より高くなっている場合、ポンプの二次側(吐出側)で何か異常が起きている可能性があります。配管の詰まりやバルブの不具合が主な原因です。定期的な圧力の記録が早期発見につながります。

水が上がらなくなった

最も深刻なトラブルです。完全に水が上がらなくなった場合、ポンプ本体の故障・配管の重大な詰まり・揚水管の破損などが考えられます。早急に専門業者への相談が必要です。

水質によるトラブル

水中ポンプのトラブルの中で見落とされがちなのが水質が原因のトラブルです。

鉄分・マンガン分が多い水質

地下水に鉄分やマンガン分が多く含まれている場合、揚水管のストレーナー部やポンプの吸い込み口に鉄・マンガンのスケールが付着して詰まっていきます。

詰まりが進むと揚水量が徐々に減り、最終的には水が上がらなくなります。鉄分・マンガンが多い地域では定期的な点検と洗浄が必須です。

腐食成分が多い水質

逆に腐食性の強い水質の場合、揚水管が内側から錆びていきます。剥がれた錆がポンプの羽根(インペラー)部分に詰まり、ポンプの性能を低下させることがあります。

腐食が進んだ揚水管は最終的に穴が開いたり破損したりするため、水質に合った材質の配管を選ぶことが重要です。

経年劣化によるトラブル

10年経過したポンプは要交換のサイン

水中ポンプは適切な環境で使用すれば10年以上稼働することもありますが、10年ほど経過したポンプは問題なく動いていても交換を検討すべきです。

水中ポンプの最も怖いところはいきなり動かなくなるという点です。徐々に調子が悪くなるのではなく、ある日突然完全に止まってしまうケースが多いです。

病院・工場・施設など水が止まると業務に支障が出る場所では特に、予防的な交換が重要です。「まだ動いているから」という理由で交換を先送りにすることがリスクになります。

ポンプ選定ミスによるトラブル

水中ポンプは水で冷却している

水中ポンプはモーター部分を水で冷却しながら揚水する仕組みになっています。つまりポンプの周囲に常に水が流れていることが冷却の前提です。

揚水管の口径や流量に適合しないポンプを設置すると、冷却が十分に行われずモーターが過熱して焼損するトラブルが起きます。ポンプ選定は揚水試験の結果をもとに適切なサイズのものを選ぶことが鉄則です。

低水位運転による過熱に注意

水位が下がってポンプが水面より上に出てしまうと、冷却水が確保できなくなり過熱・焼損につながります。これを低水位運転と呼びます。

水位計が設置されている施設であれば水位の低下をリアルタイムで把握できますが、水位計がついていない場合は特に注意が必要です。水位計がない場合、低水位状態になっていても気づかないまま運転が続いてしまいます。

渇水期や周辺での大量揚水が行われているときは水位が下がりやすいため、こまめな確認が重要です。可能であれば水位計の設置を強くおすすめします。

日常管理で早期発見するために

電流値を定期的に確認する

電流値はポンプの健康状態を示す重要な指標です。定期的に記録しておくことで異常の早期発見につながります。

電流値が上がっている場合はポンプに負荷がかかっているサインです。詰まりや摩耗によってポンプが無理をして動いている可能性があります。

なお水量を増やすと電流値は上がります。水量変更後に電流値が変わるのは正常な動作ですが、水量を変えていないのに電流値が上がっている場合は要注意です。

圧力を定期的に確認する

圧力計の数値も定期的に記録しておくことをおすすめします。

圧力が上がっている場合はポンプの二次側(吐出側)で何か異常が起きているサインです。配管の詰まり・バルブの不具合・ろ過装置の目詰まりなどが考えられます。

異常のサイン考えられる原因
電流値が上がったポンプへの負荷増加・詰まり・摩耗
圧力が上がった二次側の詰まり・バルブ不具合
揚水量が減った詰まり・水位低下・ポンプ劣化
水が上がらないポンプ故障・配管破損・重大な詰まり

まとめ

  • 揚水量の減少・圧力上昇・水が上がらないは水中ポンプの代表的なトラブルサイン
  • 鉄分・マンガンが多い水質は詰まりを、腐食成分が多い水質は配管の錆びとインペラー詰まりを起こしやすい
  • 10年経過したポンプは正常でも交換を検討する。水中ポンプはいきなり止まる
  • 水中ポンプは水で冷却しているため、揚水管に適合しないポンプは焼損のリスクがある
  • 水位計がない施設は低水位運転に特に注意。水位計の設置を推奨
  • 電流値・圧力は定期的に記録して異常の早期発見につなげる
  • 電流値が上がればポンプへの負荷増加、圧力が上がれば二次側のトラブルを疑う

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