水道料金は今後も上がり続ける
工場・病院・福祉施設など水を大量に使う法人にとって、水道料金は無視できないコストです。そしてそのコストは今後も上昇し続ける見込みです。
日本各地で水道料金の値上げが相次いでいます。背景にあるのは水道インフラの老朽化です。高度経済成長期に整備された水道管の多くが更新時期を迎えており、その莫大な費用が水道料金に反映されてきています。
値上げは一時的なものではなく、今後も続く構造的な問題です。水道料金に依存し続けることは、長期的なコストリスクを抱えることを意味します。
水道インフラへの依存リスクが高まっている
コスト面だけでなく、水道インフラそのものへの依存リスクも近年高まっています。
水道事故・断水ニュースが増えている
老朽化した水道管の破裂・漏水・断水のニュースが全国で増えています。大規模な断水が発生すると工場の生産ライン停止・病院での医療行為への影響など、事業継続に深刻なダメージを与えます。
水道管の老朽化は全国規模の問題
全国の水道管の老朽化率は年々上昇しています。自分たちの施設の水道管だけでなく、上流の配水管が問題を起こしても断水が発生します。自分ではコントロールできないリスクです。
井戸水活用の2大メリット
① 水道料金のコスト削減
井戸水を導入することで、水道料金を大幅に削減できます。
工場・病院など大量の水を使う施設では削減効果が特に大きいです。月数十万円〜数百万円の水道料金がかかっている施設であれば、井戸掘削の初期費用を数年で回収できるケースも珍しくありません。
井戸を掘ることは「水道料金の前払い」です。初期投資さえ回収できれば、その後は大幅なコスト削減が続きます。毎年上がり続ける水道料金と違い、地下水は一度確保すれば安定したコストで使い続けられます。
コスト削減のイメージ
| 月間水道料金 | 年間削減額(半減した場合) | 初期費用回収目安 |
|---|---|---|
| 50万円 | 300万円 | 約1〜2年 |
| 100万円 | 600万円 | 約1年以内 |
| 200万円 | 1,200万円 | 数ヶ月〜1年 |
② BCP(事業継続計画)対策になる
井戸水の導入はBCP対策として非常に有効です。
地震・台風・事故などで水道が止まっても、自前の井戸があれば水を確保できます。病院であれば手術・透析・感染対策に必要な水を確保し続けることができます。工場であれば生産ラインの停止を防げます。
近年、BCP対策の観点から井戸水の導入を検討する法人が増えています。補助金の対象になるケースもあるため、事前に確認することをおすすめします。
注意点:大規模施設は勝手に進めてはいけない
ここで重要な注意点があります。
規模が大きな工場・病院が井戸を導入する場合、勝手に進めてしまうと法律違反になる可能性があります。
給水人口が101人以上、または飲料水として1日20トンを超える使用が見込まれる施設は「専用水道」に該当し、水道法に基づく申請・届出が必要です。
専用水道に該当すると以下の義務が発生します。
- 役所への布設工事確認申請
- 水道技術管理者の設置
- 定期的な水質分析(年複数回・多項目)
- 行政による定期立入検査
専用水道の詳細については「専用水道とは?一般井戸との違いと法的義務」の記事をご覧ください。
導入の流れ
法人が井戸水を導入する場合の一般的な流れは以下の通りです。
- 現地調査・地質確認 地下水が出るかどうかを事前確認
- 専用水道該当確認 規模に応じて行政への事前相談
- 掘削工事 工法・深さを決めて掘削
- 揚水試験 水量・水質を確認
- 水処理設備の設計・設置 水質に応じたろ過・消毒設備
- 申請・届出 専用水道該当の場合
- 運用開始 定期管理・水質検査
まとめ
- 水道料金は老朽化インフラの更新費用により今後も値上がりが続く
- 水道管の老朽化による断水リスクも全国的に高まっている
- 井戸水の導入で水道料金の大幅削減とBCP対策が同時に実現できる
- 大量使用の工場・病院では初期費用を1〜2年で回収できるケースもある
- 規模が大きな施設は専用水道の申請が必要。勝手に進めると法律違反になる
- 導入前に現地調査・行政への事前確認が必須
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