専用水道とは?該当条件・義務・一般井戸との違いを現役プロが解説

法人向け

「専用水道」という言葉を聞いたことはあっても、具体的に何を指すのかわからないという方は多いです。

専用水道とは何か

専用水道とは、寄宿舎・社宅・療養所などにおける自家用の水道で、100人を超える者にその居住に必要な水を供給するもの、または人の飲用・炊事用・浴用その他人の生活の用に供する1日最大給水量が20立方メートルを超えるものを指します(水道法第3条第6項)。

簡単に言うと「大規模に水を使う施設の自家用水道」が専用水道に該当します。

専用水道に該当する2つの条件

① 給水人口が101人以上

給水人口とはその施設に居住している人数のことです。工場の従業員が通勤してくるだけでは該当しません。社員寮・病院の入院患者・学生寮など、その場所に実際に住んでいる人が101人を超える場合に該当します。

② 飲料水として1日20トン(20立方メートル)超

飲料水として使う水量が1日20トンを超える場合も専用水道に該当します。ここで重要なのが「飲料水として」という点です。具体的には給湯室・洗面所・浴室・炊事場など、人が口にする可能性がある用途の水が対象です。

  • 含まれないもの:トイレの流し水・庭や工場設備への散水・冷却水・工業用水

この区別を正しく理解していないと、本来専用水道に該当するのに申請していないというケースが起きます。

一般井戸(飲用井戸)との違い

一般井戸(飲用井戸)専用水道
対象規模小規模101人以上または20トン超
法的根拠厚生労働省の指導水道法
申請不要(届出のみの場合あり)必要
水質検査年1回・13項目年複数回・多項目
技術管理者不要必要(資格者)
行政の立入検査なし〜任意定期的にあり

専用水道に課せられる義務

① 役所への申請が必要

専用水道を設置する前に布設工事確認申請が必要です。勝手に設置して後から「これは専用水道だった」となると法律違反になります。自分の施設が該当するかどうか不明な場合は、管轄の保健所や市区町村の担当窓口に事前確認することをおすすめします。

② 水道技術管理者の設置

専用水道の設置者は水道技術管理者を1名置くことが義務付けられています。資格要件があり、誰でもなれるわけではありません。自社内に資格者がいない場合は、外部の専門業者に委託することができます。当サイト運営者(みずお)も現在複数の施設で水道技術管理者を受託しており、施設側の負担を軽減するサポートをしています。お気軽にお問い合わせください。

③ 定期的な水質分析

検査項目頻度
52項目(全項目検査)年4回
9項目(簡易検査)年8回
井戸水の原水分析年4回

一般の飲用井戸が年1回13項目なのと比べると、検査の頻度・項目数ともに大幅に増えます。費用も相応にかかるため、事前に把握しておく必要があります。

④ 定期的な行政の立入検査

専用水道には保健所などによる定期的な立入検査があります。水質検査記録・施設の管理状況・技術管理者の活動状況などが確認されます。記録の適切な保管と日常管理の徹底が求められます。

「知らなかった」では済まない

専用水道の怖いところは、該当しているのに申請していないケースが存在するという点です。「うちは井戸を使っているだけ」と思っていても、施設の規模や使用水量によっては専用水道に該当していることがあります。水道法違反は罰則の対象になるため、心当たりがある施設は早急に確認が必要です。

まとめ

  • 専用水道とは水道法で定められた大規模自家用水道のこと
  • 給水人口101人以上、または飲料水として1日20トン超が該当条件
  • トイレ・散水・冷却水は飲料水の20トンにカウントされない
  • 専用水道になると申請・技術管理者設置・定期水質検査・立入検査が義務になる
  • 水質検査は52項目年4回・9項目年8回・原水分析年4回が必要
  • 該当しているのに未申請のケースは水道法違反になるため要注意

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