井戸を掘る費用は、浅井戸か深井戸かによって大きく変わります。また掘削費用だけでなく、ポンプ費用や配管工事費用なども別途かかるため、トータルでいくらかかるのかをしっかり把握しておくことが重要です。
井戸の掘削費用は浅井戸と深井戸で大きく変わる
浅井戸の費用目安
浅井戸の掘削費用は30〜50万円程度が目安です。深井戸と比べて掘削深度が浅く工事がシンプルなため、費用を抑えやすいのが特徴です。
別途ポンプ費用が10万円前後かかります。家庭用ジェットポンプや小型陸上ポンプであればこの程度の費用感です。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 掘削工事 | 30〜50万円程度 |
| ポンプ費用 | 10万円前後 |
| 合計目安 | 40〜60万円程度 |
深井戸の費用目安
深井戸の掘削費用は1mあたり3〜4万円程度が相場です。仕上がり直径100mmの場合のおおよその目安です。
直径150mmになると費用は1.5倍程度になります。水量をより多く確保したい場合や、大型の水中ポンプを設置する場合は直径を大きくする必要があります。
| 深さ | 費用目安(直径100mm) | 費用目安(直径150mm) |
|---|---|---|
| 50m | 150〜200万円程度 | 225〜300万円程度 |
| 100m | 300〜400万円程度 | 450〜600万円程度 |
| 150m | 450〜600万円程度 | 675〜900万円程度 |
深井戸のポンプ費用は水中ポンプが必要になるため、浅井戸と比べて大幅に高くなります。汲み上げ能力によって60万〜200万円以上と千差万別です。水量が多い現場や大型施設向けになるほど高額になります。
掘削費用が変わる要因
掘削費用は上記の相場から大きく前後することがあります。費用が変わる主な要因について詳しくは以下の記事もあわせてご覧ください。
- 深井戸の掘り方|工法・工期・費用まで現役プロが解説
- エアハンマー工法とは?現役プロが現場の実体験を交えて解説
- 井戸の仕組みと工事の流れ|現役プロがわかりやすく解説
工法の違い・地盤の硬さ・掘削機械の規模によって費用は大きく前後します。見積もりを取る前にこれらの記事を読んでおくと、業者との打ち合わせがスムーズになります。
井戸を掘る前に考えないといけないこと
そもそも水が出るのか?
井戸を掘る前に最も気になるのが「本当に水が出るのか」という点です。
現場では過去の掘削履歴や地層データを調べて水が出るかどうかを予想します。近隣の掘削実績・地質図・ボーリングデータなどを参考に、経験豊富な業者が判断します。
ただし地下の状況は掘ってみないとわからない部分もあります。どんな業者も水量の保証はできません。これは業界の常識です。
ヒットアンドペイという考え方
昔は「ヒットアンドペイ」と呼ばれるやり方がありました。水が出たら費用を請求する、出なければ請求しないという方式です。業者がリスクを負う代わりに単価が高く設定されていました。
現在はこのやり方はほぼ絶滅しており、掘削費用は水が出ても出なくても基本的に発生します。事前にしっかり調査・確認したうえで発注することが重要です。
水質はどうなのか?
水が出ても、その水が使えるかどうかは用途によって変わります。
| 用途 | 水質の重要度 | 備考 |
|---|---|---|
| 庭の散水・農業用水 | 低い | 水質にこだわる必要は少ない |
| 工業用水・冷却水 | 中程度 | 用途に応じて確認が必要 |
| 飲料水・製造用水 | 高い | 水質基準を満たす必要あり |
家庭の庭への水やりや農業用途であれば水質にそこまでこだわる必要はありません。一方で、病院・食品工場・製造業など飲料水や製造用水として使う法人の場合は水質が非常に重要です。
水質が悪い場合は浄水設備の追加が必要になり、費用が大幅に増える可能性があります。井戸を掘る前に「何のために水を使うのか」を明確にしておくことが、費用を正確に見積もるうえで欠かせません。
費用を抑えるためのポイント
複数社から見積もりを取る
掘削工事は業者によって費用が大きく異なります。最低でも2〜3社から見積もりを取ることをおすすめします。
また地域によっても価格差が大きく、例えば沖縄のように掘削業者が少ない地域では競争が働きにくいため費用が高くなる傾向があります。工法や機械の違いによって同じ深さでも費用差が出ることがあるため、複数社への相談が重要です。
下請け構造に注意する
井戸掘削業界も建設業と同様に、元請け・下請けの多重構造になっているケースがあります。間に業者が入るほど中間マージンが発生し、最終的な費用が割高になることがあります。
可能であれば実際に掘削機械を持っている業者に直接依頼するのが費用を抑えるうえで有効です。「自社施工ですか?」と一言確認するだけで業者の構造がわかります。
用途を明確にしてから依頼する
何のために水を使うのかを事前に明確にしておくことで、必要以上に大きな口径や深度での掘削を避けられます。用途に合ったサイズの井戸を選ぶことがコスト最適化につながります。
ポンプ選定は揚水試験後に行う
ポンプの選定は揚水試験の結果を見てから行うのが正しい手順です。最初からポンプ費用を固定している業者には注意が必要です。詳しくは「井戸の仕組みと工事の流れ」の記事をご覧ください。
まとめ
- 浅井戸の掘削費用は30〜50万円程度、ポンプ別途10万円前後
- 深井戸は1mあたり3〜4万円が相場(直径100mm仕上げ)
- 直径150mmになると費用は約1.5倍
- 深井戸のポンプ費用は60万〜200万円以上と水量・能力によって千差万別
- 地域によって価格差が大きく、掘削業者が少ない地域は費用が高くなる傾向がある
- 多重下請け構造に注意。自社施工業者への直接依頼がコスト削減につながる
- どんな業者も水量の保証はできない
- 昔あったヒットアンドペイ方式は現在ほぼ絶滅している
- 用途によって水質の重要度が変わる。飲料・製造用水は特に要確認
- 見積もりは2〜3社から取り、ポンプ選定は揚水試験後が鉄則


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